人気連載

男と女のQ&A 恋愛編・夫婦編

2014年05月15日 結婚への一歩が踏み出せない私…

Q. 大学を卒業して13年間、一人暮らしをしています。30歳を過ぎたころから、両親に「結婚はまだか、結婚はまだか」と言われるようになりました。

それまで、結婚を考えるような出会いはありませんでしたが、結婚をしたくないわけでもなかったので、結婚を前提としたお付き合いをしようと思い、思い切って結婚相談所に入会しました。半年ほど経ったころ、一人の男性とお付き合いを始め、3年間お付き合いしました。彼からプロポーズされ、私も前向きな返事をしたんですが、式の日取りや式場のこと、結婚後の生活のことなどを相談し始めると、「今は仕事が忙しいから」とか「もう少しお金を貯めよぉ」とか考えてしまって、どうしても結婚する決心がつきません。

 

A. この結婚話は難しいかもしれませんね。3年も付き合ってプロポーズされたのに迷うようでは結婚後の長い人生が思いやられます。あなたが「30代の半ばも過ぎたし、この辺で妥協して結婚でもしちゃおうかな」と思うなら、「妥協して結婚した割にはいい人生だったし、両親にも親孝行ができた」と思えるかもしれません。でも、あなたは「本当にそれでいいのかな?」。もしあなたが、情熱的な恋愛をして結婚と考えているのなら、結婚相談所は正しくないのかも。

結婚相談所で出会う人の多くは、「ほどほどの人生が送れればいいと思って入会した」はずなんです。結婚相談所での出会いは、まず条件があるので、一目見て〝ビビッ〞と来るような出会いではありませんよね。あなたが心の奥深く(潜在意識)で待ち望んでいる結婚相手は、たとえば、①幼なじみが偶然どこかで再会して…、②ぶつかった人とお互いに書類を落として書類が混ざってしまって…、③上司のセクハラから救ってもらって…等々、というドラマのような出会いではありませんか?親や自分の年齢を考えて結婚相談所に入会したのでしょうが、そこでの出会いは当然、安定はしているけれどあまりトキメキがない。「仕事が忙しい」「お金を貯めて」等と自分に言い訳をして迷っているのは、彼とは結婚したくないという本音の表れかもしれません。ちょうどいい機会ですので、「人生をどう生きたいのか」と自らの心に問いかけてみましょう。

また、あなたは「結婚をしたくないわけでもなかったので、結婚を前提としたお付き合いをしようと思い」とも話しています。あなたが「トキメキ」よりむしろ「安定」を選ぶのだとしたら、彼との関係は正しい選択なのかもしれません。にもかかわらず、一歩が踏み出せないのは、あなたが13年間一人暮らしをしてきたから。結婚は、お互いが相手のことを気遣いながら、時には我慢もし、1つの家庭を築いていくものです。

これまでの自分の生活を壊す勇気と未知の生活に飛び込む勇気を持ちましょう。結婚生活がうまくいっているお友達のお宅にお邪魔させてもらったり、親戚やお友達のお子さんのベビーシッターなどをして、家族というイメージを自分の中に描いてみましょう。その上で、彼との関係を考えてみてはいかがですか。もし、家族というイメージが、自分の生き方としっくりこないようなら、結婚しないという選択肢も残しておいた方がいいかもしれません。

リニューアル新連載
【男と女のQ&A】~恋愛編~case02

取材協力 臨床発達心理士 大関洋子先生

臨床発達心理士 大関洋子先生

浦和カウンセリング研究所所長
プロフェッショナル心理カウンセラー
上級教育カウンセラー
1941年生まれ。埼玉大卒業後、高校で国語・音楽を教える。
結婚、出産、男女の共生等の話題で新聞・TV・雑誌等にも登場。
著書「この子たちを受けとめるのはだれ?」好評発売中!