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男と女のQ&A 恋愛編・夫婦編

2014年04月16日 結婚に必要なものって何?

Q. 私も来年は30歳。先日彼の実家に誘われた時、これでご両親に会わせてもらって〝いよいよプロポーズ〞なんて勝手に考えてドキドキしながらお邪魔したんです。玄関で挨拶をして居間に通されて…。まず口火を切ったのはお母さん。「お父様はどんなお仕事をなさっているんですか?」続いてまたまたお母さん。「お兄様は?」「お母様は?」と矢継ぎ早に家族のことを聞かれたんです。

〝えーっ、私のことが知りたいんじゃないの?家族のことも私のことのうち?もしかして結婚に必要なのは私じゃなくて私の家柄?〞って思っちゃって…。次に彼と会ったとき、「ご両親は私の家柄を気にしてるんだぁ?」って聞いてみたら、「そりゃそうだろっ、結婚だもん!」。いっぺんに気持ちが冷めました。

 

A. 「あなたのおウチの家紋は上り藤ですか、それとも三つ葉葵?」「菩提寺の宗旨は?」とまでは聞かれなくてよかったですね。あなたにとっては、もう「笑っちゃう」という世界だったのでしょう。

未だに結婚は家と家の取決め、釣り合わぬは不縁の元と思っているお年寄りは多いようですが、彼までとは…。300年余り前の大悲劇、シェークスピアのロミオとジュリエットとか、戦国時代の武将の政略結婚じゃあるまいし。日本国憲法第24条は「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」と規定しています。

まあ、要するに「家」ではなく、あくまで「個人」、「二人の問題」なんだということですね。彼の中に「結婚は家柄を気にするのは当然」いう意識があるとすれば、一言で言って古すぎます!「両性の合意のみに基づいて成立」というわけですから、もしこのまま結婚に突き進んで行くとすると、あなたもその考えを「受け入れた」、「合意した」ということになりますよね。けれども、あなたは「いっぺんに気持ちが冷めた」とおっしゃって、彼の考えを受け入れられないわけですから、結婚は成り立たないということです。

結婚に必要なものって両親や兄弟の仕事や学歴ではなく、二人の間の「愛がすべて」と、私はとらえたいです。「愛の中身」は、「両親や兄弟がどのような人であったとしても、夫(妻)を無条件に受け入れ、お互いをあたかも自分であるかのように相手の気持ちに共感し、共鳴し合って、純粋で平等な人間関係を作る」ということでしょう。映画や小説の中のような恋愛はなかなかないし、あったとしても結婚後その関係を維持するのも難しいですが、プロポーズ前に彼の両親から身元調べをされ、それをなじったところ、あなたが彼に期待していた「どうしようもない両親だよな」とか「くだらないね」とかいう答えではなく、「そりゃそうだろっ」というまったく逆の答えを返されたのですから、即刻この恋には終止符を打ちましょう。

もうあなたもお分かりだと思いますが、彼のお母様と彼が求めていたあなたの家の家柄は、単純に高貴ということではなく、あくまで彼の家の家柄を超えない家柄であるということを付け足しておきます。そう!ここには男性が主、女性が従という考えがあるんですね。新しい恋に期待しましょう!

リニューアル新連載
【男と女のQ&A】~恋愛編~case01

取材協力 臨床発達心理士 大関洋子先生

臨床発達心理士 大関洋子先生

浦和カウンセリング研究所所長
プロフェッショナル心理カウンセラー
上級教育カウンセラー
1941年生まれ。埼玉大卒業後、高校で国語・音楽を教える。
結婚、出産、男女の共生等の話題で新聞・TV・雑誌等にも登場。
著書「この子たちを受けとめるのはだれ?」好評発売中!