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男と女のQ&A 恋愛編・夫婦編

2025年12月18日 case139【恋愛編】恋愛にお金は大事?


Q.
恋愛にお金が大事だなんて思ったことなかったんです。
お金がないと何もできないので、大事だっていう気持ちは多少ありますけど、彼とは「お金はあった方がいいけど、お金より大事なのは〝愛〞だよね」と話しています。

友達の彼氏は金融機関に勤めていて、すごく給料がいいので、私たちより何ランクも上の食事や旅行に行ったりしてるんです。
私たちはそれを見て「あんなの偽善だよ。
そのうち絶対別れることになる」とか言ってるんです。

でも「お金のない彼と本気で恋愛なんてできない」っていうのが私の本音です。お金が十分条件じゃないのはわかります。
でも必要条件ですよね。食べたい物を食べて、行きたい所に行ける、そんな彼氏と付き合いたいです。私の考えは間違ってますか。


A.
恋愛、または結婚に「愛」と「お金」のどちらが大事か?という問いは古今東西いつでもどこでも発せられる言葉です。

その問いに「一概にどちらとも言えない」、「どちらも大事」というようなあいまいな回答をする人が多いですよね。
どちらと考えるかは、性別や年代、社会情勢や自分のおかれた状況によりかなり違いがあります。20代から50代の未婚の男女に「結婚生活で重要なのは、愛か、金か」との質問をすると、男性では「愛」が28%、「金」が25%なのに対し、女性では「愛」が21%、「金」が45%との結果だったそうです。

(2020年ソロ文化研究所/荒川和久)「愛」の割合にそれほど大きな差はありませんが、「金」の割合は、男性25%に対し、女性は45%ですから、大きな差があると言えるでしょう。
年収での比較では、「愛」との回答が男性は年収300〜600万円層で30%前後と高く、それ以上の層で徐々に低下していくのに対し、女性は年収300〜600万円層で20%以下と極めて低く、年収800万円超あたりから40%くらいに増加します。
「金」との回答は、男性は年収1000万円層程度までは20%台で横ばい、それ以上の層では40%台へ倍増するのに対し、女性は年収600万円層までは40%以上と高く、年収800万円を超えると20%台まで下がり、1000万円を超えると再び40%前後まで上がります。
この結果から、恋愛・結婚に夢を抱いている男性に対し、現実的な女性ということでしょうか。

具体的には、結婚して妻や子どもを養うことを考えている男性像と結婚して家庭に入ろうと考えている女性像が浮かびます。
相談の内容から、あなたの年収は200万円以下、彼は200〜400万円程度と考えられますが、男性は「愛」が大事と考えている割合の最も多い層、女性では「金」の割合の最も多い層です。
調査の結果を踏まえると、あなたが特別でないことはわかりますよね。将来を考え「お金が大事」と考えることは当然のことなのです。

さてあなたは今の彼と別れて別な男性とお付き合いをする方を選びますか?
それなりのハードルがありますよね。別れないというのであれば、それなりの我慢を強いられます。
どこまでの我慢ならできるのでしょうか?結論はあなたが出すしかありません。

どんな結論を出すにしても、感情だけに流されるのではなく、様々な情報からシュミレーションしてみてください。

取材協力 臨床発達心理士 大関洋子先生

臨床発達心理士 大関洋子先生

浦和カウンセリング研究所所長
プロフェッショナル心理カウンセラー
上級教育カウンセラー
1941年生まれ。埼玉大卒業後、高校で国語・音楽を教える。
結婚、出産、男女の共生等の話題で新聞・TV・雑誌等にも登場。
著書「この子たちを受けとめるのはだれ?」好評発売中!