Q.
学生時代に付き合い始め、そのまま結婚、夫は48歳、私は46歳です。
私も夫も相手を縛るのが嫌なので結婚後も婚外性交を否定しなかったんですけど、夫が35歳の時に不倫してるのが分かったらやっぱり許せないってなり、無意味とは分かっているんですけど、二度と不倫はしないって約束させたんです。
ところが最近、「また不倫?」って感じて問い詰めたら認めました。
でも、別れる決心がつかず、「不倫するなら私にわからないようにしてよ」って言っちゃったんです。
もともと相手を縛るのが嫌だったわけだし、「私にわからないようにしてよ」って言っちゃった手前、いまさらダメなんて言えなくなっちゃったんですけど、毎日不安で睡眠薬を飲まないと眠れなくなってしまいました。
A.
5年ごとに行われる国立社会保障・人口問題研究所の2021年に発表された調査では、婚外性交渉の体験割合は、男性46・7%、女性15・1%となっています。
最新の調査は今年2025年に行われていますが、結果の発表はまだです。
既婚男女、6651名を対象とし、風俗利用を除くとされていますが、調査方法(匿名・インターネット等)や年齢、婚外性交渉の対象や定義によって結果が変わるので参考程度のことではあります。
私の研究所を訪れるご夫婦の傾向から、実際はもう少し多いのではないか、特に女性の割合はもっと多いのではないかと感じます。
あなたは相手を縛るのが嫌で、結婚後も「婚外性交渉」を否定しなかったわけですが、35歳の夫の不倫は許すことができず、「相手を縛るのは嫌」という考えを破棄し、「二度と不倫はしない」と約束させました。
「無意味」とわかっていたあなたの予感は的中、48歳の夫の不倫が発覚し、今度は「二度と不倫はしない」という約束ではなく、「私にわからないようにして」という対応に変えました。
その結果、毎日不安で睡眠薬が必要になってしまった…。
「私にわからないように」という言い方では、夫に「妻にわからなければ不倫してもいい」というお墨付きを与えてしまうわけですから、「今日も不倫しているかも?!」となるのは当然です。
最初に挙げた動向調査では、既婚男性の半数ほどが妻以外の異性と不倫経験があると答えています。
命あるものすべては自己の遺伝子を残すため生殖行動を行い、今日まで生き延びてきました。
自己のコピーを残すため、命がけで生殖行動を行ったものが生き残ってきたわけです。
人間だけ(現代日本)は「結婚」という制度を作ることで、その命がけの生殖行動を行うのではなく、夫婦が互いに操を立てるという約束にしたわけですが、脳は妻以外の人との性交渉に、隠れて行う、普段と違う人と行うなどの新しい刺激を受けてドーパミンが出て快楽欲求が満たされる仕組みを持っており、それをうまくコントロールできない人が不倫や浮気をすると考えてください。
ある場面で、緊張や恐怖を伴う状況で他者と一緒にいると、その感情を恋愛感情と誤認する心理的な現象の吊り橋効果や障害や困難があるほど、かえって愛情や関係性が深まる心理現象のロミジュリ(ロミオとジュリエット)効果なども影響したかもしれません。
夫婦でよく話し合い、自分の正直な感情を伝えましょう。離婚も選択肢ですね。






