人気連載

男と女のQ&A 恋愛編・夫婦編

2025年09月30日 case137【夫婦編】結婚記念日を盛り上げようとする夫


Q.
もうすぐ8回目の結婚記念日です。
結婚記念日を祝うのは恒例で、子どもができるまでは泊まりがけの旅行、子どもができてからは装飾品のプレゼント、最近は子どもを預けてディナーに出かけています。

結婚記念日を迎えると、結婚前のこと、結婚後のこといろいろ思い出して、胸がキュンってなります。
でも、ちょっと違う感情もあるんです。

夫は夢中になって盛り上げようとしてるんですけど、私には夫が勝手に盛り上がってるように思えちゃうんです。
私が夫にしてもらいたいのは、たまに家事や育児の手伝いをしてくれることじゃなくて、日々の生活を私と一緒に作っていってくれることなんです。

それを話したら「結婚記念日を祝うのは当たり前だろ! 」と喧嘩になってしまいました。


A.
結婚記念日について、「花キューピット」が18歳以上の既婚者男女500人に聞いたアンケートがあります。
どの頻度でお祝いをするかについては、「まったく祝わない」46%、「毎年」30%、「気づいたときに時々」15%、「節目の時だけ」8%。頻度の違いはあるもののするしないは半々という結果です。

さらに、どんなことをしたいか、されたいかについては、男女の差はほとんどなく、男女合わせた結果を示すと、「特に何もしたくない」33%、「外食」30%、「旅行」13%、「自宅で普段とは違う食事をする」10%、「口頭で感謝・愛を伝える」7%、「プレゼントを贈る」6%、「手紙を送る」1%となっています。
祝う頻度の数字や私の研究所にお見えになるご夫婦の関係から考えられる可能性は、「結婚へのハードルが低かった」「運命的な出会いを感じていない」「結婚生活に嫌気が差している」「今後に夢が持てない」「経済的余裕がない」など、暗いイメージの言葉が浮かんでしまいます。
まったく逆の見方、「結婚生活に何の不満もないのでそれ以上求めるものがない」とも考えられないわけではありませんが、可能性は低いように思います。

アンケートは「花キューピット」が行ったものなので、何もしないことを否定しないよう配慮しつつ、「花をプレゼントする」ということを思い起こさせる意図を持ってのアンケートなわけですが。
さて、あなた方ご夫婦の場合、「結婚記念日を祝うのは恒例」で、旅行にも出かけたりしたようですが、このアンケートの中で実際に「旅行に行く」と答えた夫婦は1%だそうですので、あなた方は稀な方ということになりますね。
あなたの夫は、「結婚記念日を祝うのは当たり前」と考えていて、しかも(いい夫婦関係を目指して?)夢中になって盛り上げようとしてくれている。
そのこと自体は夫婦関係にとって悪いことではないのですが、あなたからすると夫に求めるものは違うところにあるわけですから必ずしもいいことになっていません。

このズレは、2人の目指すところがあなたの言う「日々の生活を私と一緒に作っていってくれること」で一致しているのなら、「方法の違い」とも考えられますが、おそらくそうではないので、このズレは離婚に直結します。
あなたの率直な気持ちを夫に伝え、よく話し合ってください。
まだ表面化していないかもしれませんが、ズレが解消できない場合は別れることも視野に入れる必要があるかもしれませんね。

取材協力 臨床発達心理士 大関洋子先生

臨床発達心理士 大関洋子先生

浦和カウンセリング研究所所長
プロフェッショナル心理カウンセラー
上級教育カウンセラー
1941年生まれ。埼玉大卒業後、高校で国語・音楽を教える。
結婚、出産、男女の共生等の話題で新聞・TV・雑誌等にも登場。
著書「この子たちを受けとめるのはだれ?」好評発売中!