Q.
20歳の時に妊娠して男の子を産みました。
その後結婚はしたんですけど2年で離婚。
子どもは私が引き取りました。
シングルで通すつもりでしたが、1年ほど前、子どもが転んでけがをした時、膝から出血して大泣きする息子に声をかけ、テッシュで血を拭いてくれた通りすがりの男性がいたんです。
近所に住んでいる人らしく私たちのことを見かけたことがあるらしいんです。
その後は見かけると必ず子どもに声をかけてくれ、親しくなりました。
半年ほど前からお互いの家に行き来するようになり、先日結婚してほしいと言われました。
私も彼の優しさを充分感じてはいますけれど、子どもをほしがる彼に対して自分の子と元夫の子を同じように扱ってくれるのかが不安で結婚に踏み切れません。
A.
結婚した夫や内縁の夫が妻の元夫との子どもを虐待したり、殺したりする事件が報道されるので心配なんですね。
彼とは元夫との子どもに優しくしてくれたことがきっかけで親しくなり、結婚を申し込まれました。
そして彼は自分の子どももほしい。
自分たちの子どもが生まれても元夫の子と区別なく同じように扱ってくれるのか不安で結婚に踏み切れない。
「白雪姫」や「シンデレラ」などの物語では、元妻の娘が自分や自分の娘と比べて美しく魅力的であることへの妬みから、女性が男性の元妻の子を虐待する「継母の継子いじめ」の筋書きになっているものがありますよね。
あなたの場合、状況がこれと逆で、彼が継父、元夫の子は男の子です。
人間以外の野生動物を見ると、例えばライオンの場合、オスが子連れのメスを見つけて伴侶にしようとするとき、まずメスの連れている子どもを殺します。
子どもがいるとメスが発情しないからで、母ライオンは子どもをかばって逃げたりするそうです。
人間社会では、自分の子孫を残すためだけに子どもを持とうとするわけではなく、愛情の表現としての夫婦間(未婚の場合もありますが)の子どもの誕生を喜びとするので野生動物とは違います。
交際している彼が、あなたの元夫との子を可愛がってくれるのは、単純に子ども好きというだけではなく、シングルで必死に子どもを育てているあなたに惹かれ、「あなたの大切なもの=僕の大切なもの」との思いから可愛がってくれているのでしょう。
女性の気を引くために、女性の子どもを可愛がるという男性も存在しますが、あなたとの結婚を真剣に考えている彼の行動は、女性をたぶらかすための行動ではないはずです。
あなたの不安は「彼が継父になる」ことと関係しています。
日本では「母性=優しさ」、「父性=厳しさ」という意識が根強く、無意識にあなたもその影響を受けていませんか。
またあなたは「元夫の子が男の子であること」で、子どもの中に元夫の影を見ていませんか。
それは「未練」かもしれませんし、「憎しみ」かもしれません。
彼に対する不安は、あなた自身に対する不安なんです。逃げずに真っ直ぐ向き合いましょう。
元夫との生活も今のあなたを構成している大事な要素なんですから。
彼に対する不安を想像によって増幅させるのではなく、リアルな彼をしっかり見てください。
それでも不安が消えないのなら、あなたとの子どもを求める彼との結婚は難しいかもしれません。