Q.
結婚して10年、5歳と3歳の子どもがいます。
子どもが小学校に上がるまでに戸建てを購入したいというのが夢だったので、2人で預貯金を殖やしてきました。
夢が実現しそうな今、私と夫で子育てに対する考えがずれていることがわかりました。
家族にとって最高の家を購入したいのに意見が合わず大げんかです。
私も夫もいわゆる一流大学を卒業しているんですが、私はそれを人生の成功と捉えているのに夫は失敗と捉えているんです。
私は大学進学に有利なところに家を持ちたいのに、夫は伸び伸び育てられる環境のところに持ちたいと言うんです。
知り合って12年、夫を十分理解していたつもりなのに根本的な部分が正反対だなんて。
家の場所だけじゃなく今後の生活に不安を感じています。
A.
野生動物や鳥、虫などは、種の保存や生存のため、食料が確保しやすく、自然災害や天敵から身を守り、安全に子育てができる場所を住みかにします。
ところが人間は種の保存よりも、どう生きるかを重視して、住みかを決めているように見えます。
でも、本当にそうですか?
災害大国日本では、安全に暮らせる場所というのも住みか選びの大切な要素ですから、「どう生きるか」という中に「命をつなぐ」「種の保存」ということが含まれているんです。
昨今、住まい選びでさいたま市が人気なのは、利便性だけではなく、災害リスクの少なさというのも大きな要素になってると考えられます。
そう考えるとあなた方夫婦の住まい選び(戸建てを購入する場所)の景色も、少し違って見えませんか?
あなた方には、決定的な価値観の違いがあります。
一流大学を卒業したことを成功と捉えるか、失敗と捉えるかという点です。
成功と捉えているあなたは、自分と同じように、幼いころから受験勉強をさせ、小中高と進学校に通わせたいと考えている。
失敗と捉えている夫は、自分と同じ道を歩ませたくない。
具体的にどういう生活を送ってきたのかは、ご相談の内容からは分かりませんが、受験勉強だけに時間を使うのではなく、いろいろな経験を積ませたいとの考えでしょうか。
結局お二人とも、自分の価値観を子どもに押しつけようとしているだけです。
ここで、あなたに質問です。
あなたは幸せですか?
一流大学卒を成功と捉えているあなたは「幸せ」と答えるはずですよね。
でも、一生に1度かもしれない高価な買い物をしようとしている時、夫と意見が違って大げんかになる、そんな夫婦関係なんですよ。
夫は失敗と捉えている。
その失敗という中に、ほんの少しでも今の夫婦関係という要素が含まれているとしたら、あなたはどう考えますか?
あなた方夫婦の住まい探しは、将来の家族のありよう、幸せを願ってのものに見えますが、お互いに独りよがりに終始しているとしか思えません。
いい機会をもらったと考え、一旦仕切り直しましょう。
夢の実現もあなたにとっては幸せの大切な要素なんだと思いますが、見せかけの幸せを追求する前に、まず夫婦で価値観を共有することです。
久しぶり(?)に子ども抜きで、食事を楽しんだり、デートをしたり…。
そんな時間が持てたらいいですね。
無理に価値観を摺り合わせようとはせず、ゼロから男女の関係を作り直すことをお勧めします。