Q.
彼とは3年間付き合っています。
1年くらい前から結婚を意識するようになりました。
彼の両親は、彼が5歳の時に離婚して、お母さんが一人で22年間育てて来ました。
先日、両親に結婚の話をしたところ、「えっ、相手は幼なじみの彼じゃないの?」と言われてしまいました。
幼なじみの彼はただの男友達なんです。
母に「小さいころから父親のいない彼はダメだよ。
子どもができても、いい父親になれないから」と反対されてしまったんです。
彼にその話をすると、「今の時代、そんな風に言われるとは思わなかったけど、そう思ってる親って多いのかもね。
お母さんが賛成してくれるまで待とうよ」と冷静な反応でした。
そんな親の賛成って必要ですか?冷静な彼にも腹が立っています。
A.
「お母さんが賛成してくれるまで待とうよ」と言ってくれた彼にも腹を立てているあなた。
彼はその言葉の前に「今の時代、そんな風に言われるとは思わなかったけど」とお母さんを否定しつつ、「そう思ってる親って多いのかもね」とそれを和らげる言葉も添えています。
自分の母親を頭ごなしに否定されたら気分が悪いだろうという彼の心配りです。
幼いころから父親のいないという、自分ではどうにもできない状況だった彼はお母さんの言葉に腹が立ったと思いますが、あなたに対する優しさから怒りを抑えて少しソフトな言い方をしたんです。
彼なりの苦労をしたんだろうなと感じられる言葉です。
あなたはそんな彼の気持ちを理解して「(そう言ってくれて)ありがとう!うちの母親って時代錯誤もいいところだよね」くらいに返していればよかったんです。
ところがそんな彼にあなたは腹を立てている。
「(結婚に)親の賛成って必要ですか?」と相談する時点で、母親の考えを強く否定するあなたの心の中に母親と同じ気持ち、「子どもができても、いい父親になれない」という母の言葉に無意識に共感する気持ちがあり、彼は「父親の役割を知らないんじゃないか」「父親として子どもとの接し方がわからないんじゃないか」という疑念が生じているのです。
そうでなければ、母親に「何言ってるの!ばかばかしい。
いつの時代の話?!もうお母さんには相談しないから!」と言い放って母親を全否定するか、今後の母親の気持ちの変化を期待して「彼はお母さんの思っているような人じゃないから」とでも言えばよかったんです。
あなたは「父親のいない子は…」という母親の価値観で育てられているので、心の深いところに潜んでいる潜在意識が、こういう時に顔を出すのです。
さて、「彼はダメ」とお母さんに拒絶された彼は、拒絶し返すのではなく、「お母さんが賛成してくれるまで待とうよ」と言いました。
「待とうよ」という言葉の中身は、流れる時間を漫然と待つだけでなく、当然「お母さんと真っ直ぐ向き合い自分の人柄をお母さんに分かってもらう努力をする」という意味も含まれていますよね。
あなたは、そんな彼と一緒にお母さんと真っ直ぐ向き合ってください。
なぜお母さんの言う「幼なじみの彼」でなく、今の彼でなくてはならないのか、「お母さんの気持ちに共感してしまうあなた」がいるように、あなたの気持ちに共感してくれるお母さんもいるはずですよ。