人気連載

男と女のQ&A 恋愛編・夫婦編

2024年04月25日 case120【恋愛編】「バツイチ男を探せ!」


Q.
私の職場では、未婚、既婚の女性の割合が拮抗しています。

女性の先輩や親の話を聞くと「30歳までに結婚して寿退社」が普通だったって言うんですけど、今は全然違って、未婚、既婚にはそれぞれの価値観があって、未婚の女性は自由に生きることが幸せって思ってるし、既婚の女性は家庭を築くことこそ幸せって思っていますよね。私は結婚したい派なんですけど、周りで幸せな家庭を築いている人ってバツイチの男性と結婚した人が多いんです。

社内の結婚したい派の女性の合い言葉は「子ども無し、バツイチ男を探せ!」。
母に話したら「あなた何言ってるの!バツイチって失敗した人ですよ!」て言われてしまいました。

私の印象としては、女のバツイチはダメだけれど、男のバツイチは「金のわらじを履いてでも探せ!」なんですけど、私って変ですか?


A.
私の周りに男性が再婚、女性が初婚という夫婦が2組います。
どちらも最初の結婚では子どもはなく、再婚後子どもが生まれました。

先日、その男性のお母さんと話をしました。「息子に子どもができたのよ。孫ってかわいいわよね」と話が終わらず、30分の立ち話です。ちょっと見かけて会釈するくらいのことはありましたが、ゆっくり話すのは7、8年ぶりだったので、お孫さんは5歳と3歳だそうです。「一度失敗したけど2度目はうまくいってるみたい。仕事をさっさと切り上げて早くうちに帰りたいって言うのよ」とのことでした。

もう1組の男性のお母さんも「一度目は息子から笑顔が消えたけど、今度はいつも笑ってるのよね」と嬉しそうに話していました。
あなたの言う「子ども無し、バツイチ男」との結婚の成功例でしょうか。最近は、あなたのお母さんの時代と比べ、「離婚」を「失敗」と考える人は減りました。

2021年の政府統計では「夫婦とも再婚またはどちらか一方が再婚」の割合が、婚姻件数全体の26%で、年々増加傾向です。統計から再婚者の男女比や子どもの有無は分かりませんが、離婚件数の増加に伴い、再婚件数も増えています。

結婚経験のある人は、結婚をイメージできるので、次の結婚へも躊躇なく進めるのに対し、初婚の人は結婚願望が強くても、不安で最後の一歩が踏み出せないことがあります。人間にとって経験は大きな財産なので、既婚者は同じ過ちを繰り返さないよう行動するため「初婚より再婚の方がうまくいく」というのはあながち否定できません。もちろん男女同様です。

「女性のバツイチはダメ」という印象が強いのは、嫁は夫、舅姑に仕えるのが当然、さらに「一度嫁したら墓場まで」と言われるように、耐えてこそいい嫁という意識が根強く残っているからです。

あなたは男のバツイチは「金のわらじを履いてでも探せ!」とおっしゃっています。
もちろん幸せな家庭を築くことは何よりですが、それ以前に「この人と一緒にいたい」という強い気持ちが必要ですよね。
その相手がたまたま初婚だった、再婚だったというだけのことです。

再婚の男性でもうまくいかない夫婦もあれば、初婚でもうまくいく夫婦もあります。結婚に懲りて二度と結婚しない人もいます。
大切なのは初婚か再婚かではなく、「この人」と思う人とめぐり逢うことですよ。


取材協力 臨床発達心理士 大関洋子先生

臨床発達心理士 大関洋子先生

浦和カウンセリング研究所所長
プロフェッショナル心理カウンセラー
上級教育カウンセラー
1941年生まれ。埼玉大卒業後、高校で国語・音楽を教える。
結婚、出産、男女の共生等の話題で新聞・TV・雑誌等にも登場。
著書「この子たちを受けとめるのはだれ?」好評発売中!