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男と女のQ&A 恋愛編・夫婦編

2024年03月25日 case119【恋愛編】「結局「パパ〜、ママ〜」ってこと?」

Q.
彼とは合コンで知り合いました。合コンだととりあえず付き合ってみて、付き合いながらどんな人か探るって感じになりますよね。彼を選んだのはチャラいところがなくて真面目そうだったからです。旅行や食事も、けっこういいところに行ってそうだったんです。付き合い始めたころは、私の行きたいところに連れて行ってもらったので問題なかったんですけど、彼が決めるようになってからは、食事に行けば予約してなくてやたら待たされたり断られたり、旅行に行けば最悪のホテル、買い物に行けば長考して決められない…。合コンの時の話は全部家族の話でお父さんが
段取りしてたとのこと。真面目そうって結局「パパ〜、ママ〜」ってことですか?

A.
「合コン」は1990年代になり「セクハラ」の定義が確立したころ生まれた日本独自の文化で、独身の男女が会食などすることで親交を深め、恋人や結婚相手を見つける出会いの場です。「合コン」と言えば、以前は性的関係を求めての大人の遊びの場、「お持ち帰り」という言葉に代表されるような「一夜限りの遊び」というイメージがついて回りましたが、今では結婚相談所の開催する婚活パーティーや過疎化、少子化対策などのために公共団体の主催する街コンなども広い意味での合コンと捉えられることから、イメージは大きく変わりました。これまでの男女の出会いの場と言えば、職場というイメージが強かったのですが、企業のセクハラに対する認識の変化から、社内で男性から女性への飲食への誘いや好意の告白といったもののハードルが高くなり、職場の出会いの場としての役割は低下して、それに代わって合コン、マッチングアプリなどの役割が増す傾向にあります。職場での関係から恋愛、結婚と至るには、それなりの時間が必要ですが、お互いに相手を理解するのに十分な時間があります。それに対し、合コンやマッチングアプリでは、恋愛、結婚に至るまでの期間は短い傾向にあり、お互いに相手を理解しきれないうちに表面上の関係だけが進んでいくという結果になりがちです。あなたの言う「とりあえず付き合ってみて付き合いながらどんな人か探るって感じ」ということです。人によって、出会いに対する考え方は様々ですが、最良のパートナーを選ぶという観点から考えると、どんな出会い方であろうとも、相手の考え方、価値観、生き方などを十分に理解する必要があることに変わりはありません。

さて、あなたは合コンに参加して、「チャラいところがなくて真面目そう」という理由で彼を選びお付き合いしています。あなたは何をもって「真面目」「チャラい」と言っているのでしょう?「真面目そう=遊んでいない」「チャラい=女性の扱いに慣れていて器用」ということだとすると、あなたはまったく価値観が逆のものを同時に追っていることになりませんか?あなたは合コンに何を求めていたのでしょう?あなたの合コンに対するイメージは、一昔前の「性的関係を求めての大人の遊び」ではありませんか?男性の評価をする前に、あなたが「合コン」に何を求めていたのかを含め、あなた自身の恋愛観、結婚観を見直してください

取材協力 臨床発達心理士 大関洋子先生

臨床発達心理士 大関洋子先生

浦和カウンセリング研究所所長
プロフェッショナル心理カウンセラー
上級教育カウンセラー
1941年生まれ。埼玉大卒業後、高校で国語・音楽を教える。
結婚、出産、男女の共生等の話題で新聞・TV・雑誌等にも登場。
著書「この子たちを受けとめるのはだれ?」好評発売中!