Q.
結婚して半年です。2年間お付き合いして「この人なら」と思い結婚しました。ところが結婚してすぐ「一緒に暮らすなんて絶対ムリッ! 」って思うことが起こったんです。それは夫の下着と靴下の洗濯です。洗濯機に入れようと持った瞬間、ムッとした臭いがして思わず放り投げてしまいました。結婚前、一緒に暮らした期間はないので、夫の物を洗濯するのは初めてでした。私は妹一人なので、男性臭みたいなものを知らなかったんです。そのことで夫に嫌悪感を持ったら、次から次へ夫の行動が気になり出しました。同じシャツを2日間着る、帰宅するとすぐパジャマになる、食べ物をクチャクチャ食べる、トイレが長い…。洗濯をきっかけで、一気に夫に対する気持ちが冷めてしまいました。
A.
高校生流行語1位の「蛙化現象」という言葉をご存じですか?2021年に「異性の行動でドン引きしたエピソード」の動画がYouTubeに投稿され、それが今年に入りSNSで炎上し広まったそうです。「ドン引きした」例としては「彼氏が会計で財布を出してた」「彼氏がおつりの3円を募金箱に入れず財布にしまった」「〝ふわふわ卵のとろ〜りオムライスください〞と長いメニューをすべて読む」など、ある程度の年齢の者からすると、彼氏がかわいそうと思うような例ばかりですが、若者の間では「理不尽」という意見と「面白い」「同感」という意見があるようです。「蛙化現象」という言葉は、ある国の王女が気味悪がっていたカエル(王子が魔法でカエルにされていた)を壁に叩きつけようとした時、王子の姿に戻り、一転して好意を持つようになるというグリム童話の「カエルの王様」から来ていると言われています。「蛙化現象」とは逆なのですが、実は2004年の日本心理学会で発表された「女子が恋愛過程で遭遇する蛙化現象」(藤沢伸介氏)の中で使われた言葉です。「好意を抱いている相手が自分に好意を持っていることが明らかになると、その相手に対して嫌悪感を持つようになる現象」を指しますが、今では少しニュアンスが変わり、「交際している異性の行動がきっかけで好意が冷めてしまう」というような意味で使われます。恋愛中の若者に蛙化が起こるのは、人生経験の少なさも一因で、様々な経験を積むことで蛙化が減ることもあります。
さて、あなたは「夫の下着と靴下の洗濯をしようとした時感じた男性臭みたいなものから嫌悪感を感じ、次から次へ夫の行動が気になり出した」と言っています。このような心の変化が起こるのは「相手に完璧を求めすぎる」「”全か無か“的思考のくせ」などの原因が考えられます。あなたに思い当たることがある場合は、無理のない範囲で二人でいろいろな経験を積み重ね、現実を受け入れる努力をしましょう。過去に何かこうしたトラウマがあると結婚相手と重なってしまうこともあります。そういう場合は、夫の欠点をあげつらう前に、まず自己分析し、そのあと直せるものは直してもらうよう夫に頼んでみましょう。夫を責める姿勢ではなく関係改善を図るという意図を伝えることが大切です。そうした対応の中で、相手を見直せるのか、元々「好き」と思い込んでいただけだったのか分かってくるはずです。