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男と女のQ&A 恋愛編・夫婦編

2021年08月19日 case88【恋愛編】「やっぱり彼氏が必要…」

Q.
友達がPCR検査で陽性になったんです。
それがきっかけで他人事でしかなかったコロナの感染拡大を自分の問題として捉えるようになりました。
友達は、熱と咳がひどいみたいですけど自宅療養中です。
近くに寄りたくないですけど、困ってるだろうと思って電話したんです。
そしたら「彼がワクチン2回打ってて、買い物とか食事の支度とかやってくれてるから」って言うんです。
ハッとしました。私は絶対困るって思うから。
私には頼れる人がいないんです。友達以上恋人未満の彼はいますけど、看病なんて…。
こういう状況なんでやっぱり誰か必要ですよね。
彼には「付き合って」って言われているので、ハードルを下げて彼氏にするか真剣に悩んでいます。

A.
狩猟採集時代、干ばつなどで食糧難に見舞われた村に一人の女がいました。
どんなに探し回っても、食べられる木の実1つ、草の根1本見つかりません。
そんな時、一人の男が獲物を仕留めました。
皆が飢えに苦しむ中、その女はセックスと引き換えに食料を手に入れました。
そうして、その女はそうしなかった女より長く生き延びましたとさ。
資源と引き換えのセックス、セックスと引き換えの資源。
あなたが今、コロナ禍にあって「ハードルを下げて彼氏にするか真剣に悩んでいる」のは、こういう例え話と思ってはどうですか?
今は「友達以上恋人未満」の彼ですが、「付き合って」と言われているとのこと。
確かに彼と恋人同士になることでコロナに感染した時、
友達の彼のように買い物と食事の支度をやってくれて、生き延びる確率は高くなりますよね。
ただ、狩猟採集時代ならいざ知らず、男の仕留めてきた獲物でないと命をつなげませんか?
もし、コロナに罹って自宅療養を強いられても、
電話一本で食事を運んでくれるウーバーイーツや買い物を請け負ってくれる業者もあります。
実はそういう金銭で請け負って買い物や食事を運んでもらうのは寂しい」というのが本音なら、
素直に自分の心と向き合って「ハードルを下げて」などと彼に失礼な言い方をするのはやめましょう。
そうやって「彼氏、彼女」になっても、彼はあなたの上から目線、
コロナがなければ、この程度の男の彼女になる私じゃない」という不遜な態度に気づいて、ほどなく去って行くことになるでしょう。
でも実は、心の中では「恋人になれるきっかけを待っていた」のではないですか?
日頃から、高飛車な考え方をするあなたなら、そういう自分と向き合ういい機会です。
考え方を修正して魅力的なあなたになれば、看病してくれる人はすぐ現れるはずです。

取材協力 臨床発達心理士 大関洋子先生

臨床発達心理士 大関洋子先生

浦和カウンセリング研究所所長
プロフェッショナル心理カウンセラー
上級教育カウンセラー
1941年生まれ。埼玉大卒業後、高校で国語・音楽を教える。
結婚、出産、男女の共生等の話題で新聞・TV・雑誌等にも登場。
著書「この子たちを受けとめるのはだれ?」好評発売中!