Q.
夫の不倫を疑うようになって1年くらい経ちます。
話をしなきゃって思いながら切り出せず、ずるずると半年くらい経った時、
証拠を握ればこっちのペースで話ができると思い、興信所を使って不倫の証拠写真を撮ってもらったんです。
写真が手に入った時は、思わず「ヤッター!」って叫びたい気分でした。
ところが、その写真の使い方が難しい。
写真を見せて不倫を責めれば「離婚しよう」ってことになるかもしれない。
そう考えたら「えっ、私って離婚したいの?」「子どもたちに何て言う?」「離婚後の生活は?」と次から次へ疑問が湧いてくるんです。
夫の不倫は許せない。このまま黙って生活するのは辛すぎる。決断ができません。
A.
「不倫は許せない」けれど、「離婚の決断ができない」という二律背反の気持ちに苦しんで、私の研究所に駆け込まれる方が後を絶ちません。
「夫の不倫」という事柄から生じる「許せない」という思いが、「離婚する」と直接結びつけられれば2つのことが相反することはありません。
ところが「許せない。でも…」、「子どもにどう話そう」と悩んだり、「私、働いてない。生活費をどうしよう」と現実的なことを考え出すと、
「不倫は許せないけれど、離婚はできない」となります。
2019年の厚生労働省の統計では、59万9千組の結婚があり、20万9千組の離婚があったと報告されています。
ほぼ3組に1組が離婚していることになります。
離婚理由の1位は、男女共に「性格の不一致」、女性の2位は「(夫が)生活費を渡さない」、
男性の2位は「(妻からの)精神的虐待」で、「異性関係」(不倫)は4位です。
性格の不一致や精神的虐待などが重なった結果、「異性関係」「不倫」に向かったとすると
あなたが興信所に撮ってもらった写真を出して夫を責めれば、
「ごめんなさい。つい出来心で」とはならず、「実は以前から…」となり、「離婚」を切り出される可能性大でしょう。
有責配偶者(不倫をした側)からの離婚は原則認められないのですが、結婚生活がすでに破綻していたと証明できれば、
裁判所が離婚を認めるハードルは低くなります。
あなたが「許せないけれど、まだ夫を愛している」というのなら、勇気を出して夫と話し合ってみてはどうですか。
もし「ごめんなさい。つい出来心で」となれば、「今回のことでお互いにもっと深く理解できるようになった」となるよう努力をする。
お互い「もう愛情は感じない」というのであれば、自立を考えてみてはどうでしょう。
決して男女が平等とは言えない日本では、大変困難なことではありますが。