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男と女のQ&A 恋愛編・夫婦編

2020年10月21日 case78【夫婦編】「これが新生活様式?」

Q.
夫とは職場で知り合い2年前に結婚しました。
今も同じ会社に勤めています。
コロナの感染拡大前は、それぞれ飲み会とかで別々に帰ることも多かったんですけど、
今は飲み会禁止で即帰宅なので、夫と過ごす時間はかなり増えました。
私はそんな時間を「神様の贈り物」って思ったんです。
でも、夫は「どっちかがコロナに感染してたら大変」と言って、食事中も会話もなく、
食事が終わるとどちらかが感染した時用にと準備したそれぞれの部屋に籠もってしまって朝まで出てきません。
セックスレスどころか完全な家庭内別居です。
これがコロナ後の新生活様式としたら耐えられません。

A.
夫と過ごす時間が増えたのを「神様の贈り物」って思ったのに
「どっちかがコロナに感染してたら大変」と「食事中も会話もなく、食事後は別々の部屋に籠もる」、
もっともではありますが、何か不自然さを感じます。
「これがコロナ後の新生活様式としたら耐えられない」、その通りですね。

結婚した頃は、どんな思いがあったのでしょう。
2020年5月20日のゼクシィユーザーアンケートによると、
「結婚したい理由」
1位は「これから先もず〜っと一緒にいたい」

2位「これ以上の人には出会えないと感じた」、
3位「安心できる場所がほしい」、
4位「子どもがほしい」。
男女共に上位4位までは変わりません。
女性5位は「経済的安定」、男性5位は「社会的信用」となっています。

一昔前まで結婚は当たり前のことでしたが、今では1人でも困ることはほとんどなく、
むしろ自分らしく生きるため生涯独身という人も増えました。
それでも独身の9割近くの人が「いずれは結婚したい」と考えています。
1人で生きていくことに寂しさを感じ「誰かと一緒に」と考えるのは
「関わりながら生きる」「一人ひとり違う」「自己創出力」という〝ヒト〞の3大本質の現れでもあります。
他の動物と違い、鋭い牙や角、分厚い毛皮もない私たちは、関わり合い、助け合って長い歴史を生き抜いてきました。
得意不得意が違う2人の人間が関わり合い助け合ってこそ新しい生活様式を作れるのです。

価値観が大きくずれていると折り合いをつけるのが難しいのですが、
「本当に大事にしたいことは何なのか」よく考え話し合ってお2人の「新生活様式」を見つけてください。
もし、コロナにかこつけて、あなたと距離を置きたいと考えているようなら、それをただなじるのではなく、
「なぜそうなったのか」まずあなた自身に問いかけてみてください。
「コロナのせい」だけでない夫婦の危機が見えてくるかもしれません。

取材協力 臨床発達心理士 大関洋子先生

臨床発達心理士 大関洋子先生

浦和カウンセリング研究所所長
プロフェッショナル心理カウンセラー
上級教育カウンセラー
1941年生まれ。埼玉大卒業後、高校で国語・音楽を教える。
結婚、出産、男女の共生等の話題で新聞・TV・雑誌等にも登場。
著書「この子たちを受けとめるのはだれ?」好評発売中!