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男と女のQ&A 恋愛編・夫婦編

2020年08月19日 case76【恋愛編】「この時計、3 0万」

Q.
彼とはネットで知り合いました。住んでる地域も近かったし、ネットで会話をしてても優しそうだったので、3ヶ月くらいした時、デートしました。実際に会っても、印象が変わらなかったので付き合い始めて、2年になります。
私のことを大事にしてくれているのは分かるし優しいので、結婚も視野には入れているんですけど、何でも金額とかブランドとかで価値を計ろうとするのがすごく嫌なんです。「この時計、30万」とか、「このシャツ1万で買ったんだけど、定価は7万」とか、「お得意さんに神戸牛もらった」とか…。
セレブなわけでもないのに、人を見下しているように感じてとっても気分が悪いんです。

A.
価値観が違うようですね。「価値観」すなわち人生で何を一番大切にするか、ということです。
あなたのエピソードからすると彼が人生で一番大切にしているのは「お金」。高価な物やブランド品を身につけることで自分の価値を高めようとしたり、高級品を食べることで1人悦に入っている。きっと靴やバッグ、デートの場所なども同様なのでしょう。
でも、あなたはそういうことにあまり重きを置かないので彼に違和感を覚えた。

時計は使い易さが基本、ファッション性を重視したとしても30万は高過ぎる。シャツは元値が7万もするブランド品などではなく、イトーヨーカドーやイオンの夏物処分の千円でも清潔感があり、着易くて似合う物なら十分。肉だって、ブランドより誰と食べるかでおいしさが変わるもの。
しかも肉は自分の稼ぎで買ったのではなく「もらい物」。シャツだって、7万円で買ったわけではなく、1万円で安く買った物。安く買ったことも自慢なんでしょうか。すごく卑しいですよね、心根が。
そんな彼よりは、自分で稼いだお金で月旅行をしようとしたり、女性の心もお金で買えると豪語していたりする人たちの方がまだましです。そのうち100万円くらいの婚約指輪を買って、「これ100万円なんだけど、50%OFFだったんだよ」とでも言うのでしょう。もしかして、あなたも50%OFFで買われている?

「人生の価値はお金じゃない」と気づいているあなたは、1日も早く彼とは別れて、野原のシロツメクサを編んで指輪や王冠にして、そっと頭に乗せながら愛を告げてくれる彼を探しましょう。
オードリー・ヘップバーン演ずるマイフェアレディ。街の花売り娘にどんな高価な洋服や装飾品、教養を身につけさせたとしても、結局、彼女の心、愛は買えなかった男たちのように、あなたの心は「お金」という価値観では動かせないのですから。

取材協力 臨床発達心理士 大関洋子先生

臨床発達心理士 大関洋子先生

浦和カウンセリング研究所所長
プロフェッショナル心理カウンセラー
上級教育カウンセラー
1941年生まれ。埼玉大卒業後、高校で国語・音楽を教える。
結婚、出産、男女の共生等の話題で新聞・TV・雑誌等にも登場。
著書「この子たちを受けとめるのはだれ?」好評発売中!