Q.
結婚して36年です。夫とは仲が悪いということでもないのですが、内と外で全く態度が違う人なので、私がずっと我慢してきました。
コロナ禍で夫といる時間が長くなり息抜きもできないので、夫の高圧的な態度に耐えるのが辛くなってきました。
そんな折、義兄から〝元気でやってるか〞と電話があり、つい夫の愚痴を言ってしまったんです。〝まずい〞と思ったんですけど、「そりゃ、嫁が我慢しないと」と言われてしまいました。
その時、「なんで私が我慢しなきゃならないの!」って思ったんです。子どもは独立したし、贅沢しなければ、何とか生活はできそうなので離婚を考えています。
A.
「離婚を考えている」とおっしゃっていますが、本当に離婚に踏み切る覚悟ができているかちょっと疑問に感じたので、まず厚労省の統計で日本の現状を見てみましょう。
2013年の婚姻件数は66万組で、離婚件数は23万組。もちろんこの年に結婚してこの年に離婚したわけではありませんが、統計データによると離婚率は35%。なんと3組に1組が離婚していることになります。1970年の離婚率が9・3%だったことを考えると、かなり増えていることが分かります。
しかも2016年の年代別離婚率では、50代の離婚率が増えていて、同居期間別の離婚率も、同居期間35年以上の人の離婚が多くなってきています。あなたも36年とのことですから、まさにこれに当てはまるわけです。
長年連れ添った夫婦が離婚する場合、性格の不一致を自覚しつつも、子どもの教育や生活のために我慢して、子どもが巣立ったり、夫が定年退職するタイミングで離婚を選択する「熟年離婚」という形になります。
義兄に愚痴を言って「そりゃ、嫁が我慢しないと」と言われたことが離婚を考えるきっかけにはなりましたが、内、外で態度の違う夫にずっと我慢してきた。コロナ禍で夫と長時間一緒にいて息抜きもできず、改めて高圧的な態度に耐えきれなくなってもいたのですよね。
義兄に言われたことは一つのきっかけに過ぎません。仲が悪いわけでもないとおっしゃっているのは、自分の気持ちをぶつけて本音で喧嘩さえせず36年間、耐えていたということですよね。
厚労省の人口動態統計で計算すると、2分に1組の夫婦が別れていることになります。お子さんも独立され、何とか生活もできそうとのこと。とはいえ、むやみに離婚をお勧めしているわけではありません。
ならばこの際、36年分の本音を夫にぶつけてみてください。離婚を回避できるかもしれません。それでもだめな時は…。