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男と女のQ&A 恋愛編・夫婦編

2016年09月30日 絶対別れてやらない!

Q. 最近、夫の様子が変だったんです。それで毎日ポケットや鞄、スマホもチェックしていました。夫もそれに気づいているのか、なかなかしっぽを出さなかったんですが、先日、夫が車で事故を起こしたんです。怪我はありませんでしたが女のところへ向かっているときだったらしく慌ててたんですね。普段は残っていないLINEの履歴が残っていて、事故を起こして今は行けないっていうことと、2、3日したら行くっていう内容でした。黙っていたら出張で泊まりだって出かけていったんです。戻ってきてからLINEを見たことを言いました。そしたら「夫を信用できないやつとは一緒にやれない、別れよう」って…。そんなのありますか!?絶対別れてやらないって言ってやったんですが最悪の気分です。

 

A. 憲法24条には「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」とあり、これを受けて民法752条には「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」とあります。民法上、明記はされていませんが、夫婦間の基本的義務として貞操義務もあるとされ、それに反する不貞行為は離婚原因を構成し不法行為にもなります。ですから有責配偶者(不貞・浮気をした側)からの離婚請求は原則的には認められず、請求はしても配偶者が同意しない限り離婚は成立しません。

 

あなたのケースのように浮気をした夫が「夫を信用できないやつと一緒にやれない、別れよう」と屁理屈を言おうがどうしようが、あなたが「絶対別れてやらない」と言い続ければ離婚は簡単には成立しません。養育しなければならないお子さんがおらず、別居の期間が長く事実上の結婚生活が破綻している状態が認められれば別ですが。でも、でもですよ。腹が立った勢いで「絶対別れてやるものか!」と思い、そう言った後、気分がよくないんですよね。そりゃそうです。いくら法律で有責配偶者からの離婚請求は難しいと言ったところで他の女性に心が移った夫の心までは縛れませんから。

 

さて、あなたの取れる選択肢は3つ。1つは宣言した通り「絶対別れてやらない」と言い続け、ぎすぎすしたまま夫婦であり続ける。2つ目は、宣言を撤回して慰謝料を取って別れる。1つ目の選択は、夫の出方によっては延々と何年も続く地獄のような結婚生活になる覚悟が必要です。2つ目の選択は、夫の浮気が1回目ではなく2度3度と繰り返されていて、お子さんもおらず結婚生活も短いというときにお勧めです。浮気癖のある人は体力が衰えるまで浮気を繰り返すことが多いので…。原始時代ならいざ知らず、種の保存のために数多くの牝と交わるという古い体質を自己コントロール出来ない男性とは潔く別れてべつの人生を歩む決意も必要です。そして、今回が初めてで、子どもが小さい、自分は仕事を辞めて主婦等々の場合で「別れてやらない!」が夫への情(愛はおぼつかなくても「情」が残っている)であるなら、悔しくても3つ目の選択肢、なぜ夫が他の女性に惹かれたのか、夫との関係を修復するために自分に出来ることは何なのか、胸に手を当てて考えてみるのはいかがでしょう。

 

リニューアル新連載
【男と女のQ&A】~夫婦編~case 31

 

取材協力 臨床発達心理士 大関洋子先生

臨床発達心理士 大関洋子先生

浦和カウンセリング研究所所長
プロフェッショナル心理カウンセラー
上級教育カウンセラー
1941年生まれ。埼玉大卒業後、高校で国語・音楽を教える。
結婚、出産、男女の共生等の話題で新聞・TV・雑誌等にも登場。
著書「この子たちを受けとめるのはだれ?」好評発売中!