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男と女のQ&A 恋愛編・夫婦編

2016年05月06日 彼から投資を勧められて…

Q. 彼とは婚活パーティーで知り合いました。パーティーは行政もかんでる大きなパーティーだったので、安心して彼とお付き合いを始めました。食事をしたりドライブをしたり、1年以上お付き合いしています。彼は思った通りの優しい紳士です。先日、彼から2人の将来の話をされました。「結婚しよう」とは言われなかったけれど、私はプロポーズと受け取っています。その後、彼から投資の話をされたんです。「僕の仕事は金融関係だから自由に投資ができないけど君ならできるから200万円出して」と言うんです。友達に話したら「それっておかしい」って言うし、母からは夫婦でもないのにそんなこと絶対するなって言われちゃうし…。でも、あなたは信用できないからって断れないじゃないですか?

 

A. お気の毒ですが詐欺くさいです。詐欺でないとしても、こういう男は紳士とは言えないですね。最近よく使われる言葉に「民度」という言葉があります。ニコニコ大百科には「ある地域や集団の住民、民族、出身者等の知的水準、モラルの高さ、文化水準の高さのこと」とあります。インターネット上では、他国民と比較して「日本人は民度が高い」というような使われ方をします。モラルの高さや他人に対する優しさ、理知的、理性的な振る舞いなどを総体的に捉えて表現している言葉です。よく例としてあげられるのが、なくした財布が戻ってくること、様々な場面で順番を守ること、分かち合いの精神などです。私も、高速道路のトイレに財布を忘れたことがありますが、なんと拾ってくれた方が電話をくれただけでなく、わざわざ仕事場まで届けてくださいました。車で1時間くらいかかるところですから、これにはさすがに驚きました。

こういった例を見ると、どうやら日本という国は人を信用するところから始まっている国であるということがわかります。日本人には、まず人を信用しようとする気持ちがあり、実際に被害を受けそれをはっきり認識するまでは、人を信用するという気持ちを維持しようとする傾向があるようです。そんな日本人の中でもあなたは人を信用する気持ち、信用したいという気持ちの強い人なのでしょう。

「詐欺」というのは、民度が高いと言われる日本人らしさとまったく逆の行為ですね。代表的なものとしては、最近大きな社会問題になっている振り込め詐欺(特殊詐欺)、1件あたりの被害額の大きい投資詐欺、人の心をもてあそぶ結婚詐欺など。結婚詐欺の手口は大きく分けて2つあります。1つは、実際に結婚をして財産管理を行いすべての財産を奪いつくそうとするもの、もう1つは結婚話をちらつかせては、お金を出させこれ以上は奪えないというところで突然姿を消すというものです。あなたのケースは後者のパターンに当てはまるかもしれませんね。とはいっても、結婚詐欺に間違いないということではないので、とにかくはっきり断ってみましょう。それが原因で別れることになるとすれば、詐欺かどうかは別として、お金のことでトラブルになるような男だったということです。それでも出したいというのであれば、だまされるのは覚悟してください。

 

リニューアル新連載
【男と女のQ&A】~恋愛編~case 26

取材協力 臨床発達心理士 大関洋子先生

臨床発達心理士 大関洋子先生

浦和カウンセリング研究所所長
プロフェッショナル心理カウンセラー
上級教育カウンセラー
1941年生まれ。埼玉大卒業後、高校で国語・音楽を教える。
結婚、出産、男女の共生等の話題で新聞・TV・雑誌等にも登場。
著書「この子たちを受けとめるのはだれ?」好評発売中!