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男と女のQ&A 恋愛編・夫婦編

2016年03月04日 今年 50 歳…夫との離婚を考えている私

Q. 今年で50歳。30歳になった時も大台意識を持ちましたが50歳というのは先が見えてきた感じがして…。結婚して25年、いいこともありました。でも今振り返ると必死で生きてきた印象ばかりで、残りの人生は自分らしく生きたいと考えるようになりました。これまで、子どものために精一杯生きてきましたが、二人の子どもも成人して、残りの人生を夫のために生きるのは嫌だと思っています。いつも愚痴を聞いてくれていた娘に「お父さんが退職したら離婚しようと思うんだけど」と相談したところ、「お父さんのためにさんざん苦労してきたんだから、退職金もらって別れちゃえば」と賛成してくれました。息子は「好きにすれば」と言ってくれていますが、夫になんと切り出そうか迷っています。

 

A. 「夫になんと切り出そうか迷っています」とのご相談なので単刀直入にお答えすれば、「そのまま、ここでおっしゃっているままを夫に話す」しかないのではありませんか?もし夫が暴力を振るったり、物に当たったりするタイプの男性なら話はまったく違ってきますが。念のため、もし夫がそういうタイプの人間なら、退職金や財産分与をきちんと半分に分ける法的手続きを秘密裏に全部完了してから夫に気づかれないよう家を出て、シェルターに隠れてください。あなたの場合そうではなさそうですね。「離婚の決意は固いが切り出し方に迷っている」というよりは「離婚」そのものに迷っているというのが本音なのではありませんか?繰り返しますが、暴力やいやがらせがない夫なら「残りの人生は自分らしく生きたいと考えるので離婚したい」とお話しになってください。

娘さんには「いつも愚痴を聞いて貰っていた」とのことですから「お父さんが退職したら離婚したい」という話を聞かされれば「退職金を貰って別れちゃえば」と言うに決まっています。だってず〜っと「母親は父親のためにさんざん苦労してきた」と聞かされて育ったのですから。その証拠にあまり愚痴の聞き手にしてこなかった息子さんは「好きにすれば」ととても公平に「父も父だけど母も母。どっちもどっちなんだから『好きにすれば』」と言っています。あなたは、勿論、お二人のお子さんを育てるのに必死、子どものために精一杯生きてきて自分の好きなこともせず、好きな物も買わず好きな旅行もせず25年間頑張って来られたのでしょう。その努力と頑張りには頭が下がります。まだまだ大多数の女性達の人生はこんな風だろうと思います。ですから、今後の人生を自分らしく生きようとお考えになった勇気には拍手を送り応援したいと思います。

そこで提案ですが、「夫が退職したら」とおっしゃっているところを「今」「50才」でとお考えになってみませんか?50才の今なら、これから1〜2年かけて何かの資格を取って新しい人生を始めるにも心身共に大丈夫。夫の退職を待つという計画の中に退職金の分配の他にもう1つ、「亭主元気で留守が」よかったのに退職すると一日中家に居て、朝昼晩の食事の世話とかうっとおしいからというのも含まれていませんか?ある意味では、今までの25年間もほぼ自分の「選択」であって「自分らしかった」のではないですか?そのことも踏まえ、今後を考えてみてください。

リニューアル新連載
【男と女のQ&A】~夫婦編~case 24

取材協力 臨床発達心理士 大関洋子先生

臨床発達心理士 大関洋子先生

浦和カウンセリング研究所所長
プロフェッショナル心理カウンセラー
上級教育カウンセラー
1941年生まれ。埼玉大卒業後、高校で国語・音楽を教える。
結婚、出産、男女の共生等の話題で新聞・TV・雑誌等にも登場。
著書「この子たちを受けとめるのはだれ?」好評発売中!