人気連載

男と女のQ&A 恋愛編・夫婦編

2015年04月10日 恋愛はめんどくさい

Q. 今年で30歳、よく言う「彼氏いない歴30年」です。中学の時と高校の時に憧れた男の子はいたんです。中学の時は野球部のピッチャーの子、高校の時はサッカー部のエースの子でした。二人とも女の子にキャーキャー言われる存在でしたが、私も必死でバレンタインデーにチョコレートを送ったり、手紙で告白したりしたんです。でもあえなく玉砕。その後はみんながかっこいいっていう男性がいても「べつに〜」っていう感じで魅力を感じません。結婚はしたいけど恋愛のプロセスがめんどくさいというか。女友達と遊んでても充分楽しいんだからそれだけでいいかなって思ったりしちゃって。子どもは産みたいって思うんです。でも今の気持ちをどう乗り越えればいいか困ってます。

 

A. 人生をどう生きるかは一人一人違っていいのです。あなたが「結婚はしたいけれど恋愛のプロセスがめんどくさい」けれど「子どもは産みたい」って思うなら、恋愛抜きの「結婚と出産」という生き方だってできます。ただ、それではあまりにも大切なところで手抜きをするような気がして、どうにか乗り越えたいと思っての相談ですよね。

おっしゃる通り、恋愛のプロセスはめんどくさいものです。中学・高校の時経験したように、こっちが必死で自分の気持ちを伝えたとしても向こうにその気がなければ玉砕するわけですから。相手の気持ちを慮(おもんばか)りながら、自分の気持ちをどう伝えたら彼の心に響くのか、そのタイミングはいつか、使う言葉はどんな言い回しにするか、どんなチョコをあげようか、ありきたりのやり方でいいのか、メールにするか手紙にするか…。考え出したらたぶん一晩や二晩では答えが出ませんものね。だから、みんながかっこいいという人も「べつに〜」と流しているんですよね? 2010年の調査で、30〜34歳の未婚率は男性47.3%、女性37.5%。これも「めんどくさい」が一つの要因でしょうか。

一昔、二昔前と違って、女性も社会的地位が上がり、結婚しないと生きていけない時代ではなくなりました。男性も便利な家電の普及で家政婦代わりの妻がいなくても自立できるようになり、晩婚化、非婚化に拍車をかけています。ただ、あなたは「結婚はしたい」「子どもは産みたい」と言っている。「人」の大きな特徴は①一人ひとり違うこと、②関わり合い助け合って生きること、③選択しながら生きること、の3つです。恋愛のプロセスのめんどくささの中で、人は相手の気持ちを理解したり、共感したり、受け入れたり。そして喜んだり、悲しんだり、怒ったりしながら「人」として成長していきます。当然のことながら、女性の友人との間でも同様に「人」としての成長の練習をしているはずです。

「結婚はしたい」「子どもは産みたい」とおっしゃっているあなたは「めんどくさい」ながらも、今の生き方にむなしさや寂しさも感じているはず。気のすむまで同性の友達と関わり合いのトレーニングをしたら、そのあとに、「めんどうな異性との関わり合い=恋愛」に挑戦してみませんか。そのめんどくささを楽しいと感じられる余裕を持ちましょう。めんどくさい関わり合いの中で、あなたが魅力的な女性へと成長することを祈ります。

 

リニューアル新連載
【男と女のQ&A】~恋愛編~case 13

取材協力 臨床発達心理士 大関洋子先生

臨床発達心理士 大関洋子先生

浦和カウンセリング研究所所長
プロフェッショナル心理カウンセラー
上級教育カウンセラー
1941年生まれ。埼玉大卒業後、高校で国語・音楽を教える。
結婚、出産、男女の共生等の話題で新聞・TV・雑誌等にも登場。
著書「この子たちを受けとめるのはだれ?」好評発売中!