Q. 「今日のみそ汁ちょっと濃いんじゃない?!」。夫が料理の味について文句を言う時は必ず他のことも言い出すんです。「なんでいつも同じ濃さにできないかなあ…。はかりで計れとまでは言わないけど、お湯の量がこれくらいなら、味噌は大さじこれくらいとか決めとけばいいと思うんだけど…。それだけじゃないよね、洗濯物だってもっと丁寧に干せばシワもなくなってたたむのも楽なのに雑な干し方するし、部屋の中の整理整頓だってうまくできてない。子どもたちもそれを見習って生活全体が雑になって成績も伸びない」。いったいあなたは何を言いたいのよ!私がだらしないから子どもがダメな子になってるってこと?自分だけが正しいと思ってる、この夫の性格にはついて行けません!
A. あきれてものも言えない気分ですよね。いちいち小うるさいので、心の中では「ふざけんじゃないわよ、おまえだけが正しいのか!結婚前は〝僕は一人暮らしが長かったから料理なら何でもできるよ。今度うちでご馳走するよ〞なんて言ってアパートへ誘い込んで、〝洗濯とかアイロンかけとかも好きなんだ。結婚したらキミのハンカチとかブラウスもアイロンかけてあげるよ〞なんて言ってたのは、どこのどいつだっ!」と思って言い返してやりたいけれど、子どもたちも「喧嘩しないで!」って言うので、怒鳴りたい気持ちをグッと抑えて、黙って〝フンッ!〞としているだけ。何度かは怒鳴り合いにはなったけれど、そんなことでうちを飛び出し実家へ帰ったところで、母からは「あんたの亭主は私の亭主よりずっとマシでしょ!」と言われるだけ。この小うるさい夫の性格にはとてもついて行けないから「離婚します!」と言いたいところだけれど、女手一つで食べ盛りの子どもたちを養うのはとても無理。そんなことはあなたもあなたの夫も、わかっていますよね。
そういう状況の中でここまで細かく言うのは「モラハラ」ですね。もしあなたが「この夫の性格にはついて行けない」と本当に離婚を考えているのなら、毎日のように言われる小言を、日時を入れて書きとめておきましょう。調停になった時にもきっと役に立つと思います。ただこの程度だと慰謝料云々になる可能性は低いし、調停員からどのようなことを言われるか…。第三者があなたに何か話すとすれば、「家事は苦手?」「洗濯は好きじゃない?」そんな言葉をかけられるかもしれません。
いかがでしょう、もう一度恋愛中の気持ちを思い出してみては? あなたに家事を上手くやれと言っているのではありません。出会った時からこんな男だったらあなたも結婚しているはずはありません。結婚、妊娠、出産、育児と生活が変化するにしたがって、夫のことをかまっている暇がなくなり物理的にも精神的にも夫婦の語らいや性の悦びなどもなくなってはいませんか? 子どもも夫もかまってほしい時、そのメッセージとして反抗したりいたずらしたりするものです。あなたも心と体にちょっとお洒落をして、夫と楽しいひと時を持ってみてはいかがでしょうか。夫婦の危機を乗り越えられることを祈ります。
リニューアル新連載
【男と女のQ&A】~夫婦編~case 12
2015年03月10日 夫の性格にはついて行けない!
取材協力 臨床発達心理士 大関洋子先生
浦和カウンセリング研究所所長
プロフェッショナル心理カウンセラー
上級教育カウンセラー
1941年生まれ。埼玉大卒業後、高校で国語・音楽を教える。
結婚、出産、男女の共生等の話題で新聞・TV・雑誌等にも登場。
著書「この子たちを受けとめるのはだれ?」好評発売中!