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男と女のQ&A 恋愛編・夫婦編

2014年10月30日 同窓会で恋が芽生えた…

Q. 結婚して8年、夫とは家庭内別居状態なんです。朝は早くて夜は遅い人なので話をする時間もほとんどないし…。頻繁にじゃなくてもいいけど、たまには優しい言葉だってかけてもらいたいじゃないですか。そんなとき高校の同窓会があったんです。女友達と愚痴でも言い合えたらいいなあと思って参加したんですけど、小中高と一緒だった彼もいたんです。特別好きな相手ではなかったんですけど、ちょっと話しただけでその何倍も私の気持ちをわかってくれるんです。幼なじみっていいですよね。テレビドラマじゃあるまいし、同窓会で恋が芽生えるなんて思ってもいませんでしたけど、誘われるままに食事に行って、楽しい時間を過ごしました。今度誘われたらと思うとドキドキしています。

 

A. 日本っていう国は、性に厳格な国って思われがちですが、実は性に関する習慣や文化が緩やかな国です。古代には現代の合コンのようなものが四季折々各地で行われていて、既婚者であっても性の交わりを持ち、楽しい時間を過ごしていた様子が記録されています。それで妊娠した場合には、夫婦の子として家族や村の人々が育てたようです。これが我が国の慣習・文化であり、男が夜だけ女の家に通う「妻問い」から始まり「よばい」として昭和初期まで残っていたものです。「よばい」は「呼ばふ」という動詞の名詞化で、男女が求め合う意味であったのに、その語源が忘れられ最近では「夜這い」と書いたりするので、淫らなイメージばかりが強くなってしまいました。もとは広く行われていた性を伴う男女関係の正式な方法でもありました(和田好子著「やまとなでしこの性愛史」参考)。何度かパートナーを取り替えながら、一夫一婦に収まってからも離婚再婚はしばしば行われ、日本は古来からの伝統として恋愛自由の風習を持っていたわけです。ところが中世以降、武家の間では愛や性の自由は制限、抑圧され、第二次世界大戦時代には軍国主義の元で、愛や性、家族・家庭を顧みず戦うことが奨励され、女性は命がけで戦う男性に操を立てることが絶対となったようです。

その名残のようにあなたも一夫一婦制を守ろうとして頑張っておられるようですが、「よばい」の風習のように気の合うパートナーを探してみてもいいかと思います。ただし、愛や性が自由だった女性たちは労働力としても男性に決して劣ることはなく、機を織ったり農作物を育ててそれを売り歩いたりと経済的に一家を支えてもいました。あなたは夫を「朝早く夜遅い人」と言っているので、現金収入がないようですね。もちろん家事労働も大切な労働力ですから離婚の際には応分な財産分与があって然るべきですが、幼なじみと婚外恋愛をするには自分のフィールドが弱い気がします。相手の男性もあなたも、テレビドラマの婚外恋愛ごっこに影響されて、ドキドキを楽しんでいるだけではないですか?なぜ家庭内別居状態なのか、これからもそのまま生きていくのか、幼なじみとアバンチュールを楽しめば気がすむのかなど、自分を見つめ直す機会にしてみてはいかがですか。そして夫とも話し合う努力をして下さい。その上で彼を誘ってみるなり、彼に誘われてみるなりというのはどうでしょう。

 

リニューアル新連載
【男と女のQ&A】~夫婦編~case 08

取材協力 臨床発達心理士 大関洋子先生

臨床発達心理士 大関洋子先生

浦和カウンセリング研究所所長
プロフェッショナル心理カウンセラー
上級教育カウンセラー
1941年生まれ。埼玉大卒業後、高校で国語・音楽を教える。
結婚、出産、男女の共生等の話題で新聞・TV・雑誌等にも登場。
著書「この子たちを受けとめるのはだれ?」好評発売中!