行方不明の相続人がいる場合は?

Q.
先日父が亡くなりました。
相続人は母と兄と私です。
相続財産のほとんどは父名義の土地・建物です。
これまでは父と母がその家に住んでいたので、土地・建物は母が相続するということにしたいのですが、兄が音信普通で連絡を取ることができず、遺産分割についての話し合いをすることができません。
どうすればよいのでしょうか?

A.
遺産分割協議は、相続人全員が参加して合意する必要があるので、行方不明者がいると、協議による遺産分割ができません。そのような場合、①不在者財産管理人の制度を利用するという方法や②失踪宣告の制度を利用するという方法が考えられま
す。

①不在者財産管理人の制度は、不在者に代わって財産を管理してもらう人を家庭裁判所に選任してもらう方法です。行方不明者に代わって、選任された管理人が遺産分割協議に参加することになります。管理人の権限は財産が減らないように保つことに限られますので、遺産分割をする場合には、権限外の行為として裁判所の許可を得る必要があります。裁判所は、行方不明者の不利益になるような分割は許可しませんので、原則として法定相続分どおりの遺産分割となることになります。

②失踪宣告の制度は、行方不明者を法律上死亡したものとみなす方法です。普通失踪は、行方が分からなくなってから7年間経過したことにより認められます。こ
れも裁判所に申立てをすることが必要です。

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【取材協力】


弁護士 高橋 千恵

慶應義塾大学卒業、上智大学法学研究科法曹養成専攻修了後、弁護士登録。
埼玉弁護士会所属。現在、アーネスト法律事務所代表を務めている。 

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