イタリアの南部、カンパーニア州にあるナポリ。近郊には2000年ほど前、火山の噴火による火砕流のため、地中に埋もれてしまった都市・ポンペイの遺跡があり、その出土品などから、現在とほぼ同じ方法でワインが造られていたことがわかっています。
ナポリといえば、もちっとした食感が魅力のナポリピッツァが有名で、手延べした生地に450度くらいの高温で火を入れて焼き上げられます。定番はトマトやバジル、モッツァレッラチーズを載せたマルゲリータ。
ピッツァ・マルゲリータ
ナポリではモッツァレッラには牛乳ではなく、最高級の水牛の乳が多く使われているのが特徴で、シンプルながら大変美味しいと評判です。
また、ナポリの少し南東にあるグラニャーノは、乾燥パスタ発祥の地。低温で時間をかけて麺を乾燥させる、昔ながらの製法を守る小さな工房が現在でも多数あり、高品質なパスタを生産しています。このグラニャーノ産パスタと、高級イタリアントマト・サンマルツァーノ種のトマトソースを使った「トマトソースのスパゲッティ」は、イタリアを代表する郷土料理です。
ナポリで味わいたいワインの一つが「キリストの涙」という意味の豊かな果実味に富んだ「ラクリマ・クリスティ」。赤白どちらもおすすめですが、昼間、ナポリの海が望めるテラスで飲むなら、日の光がグラスにキラキラ反射する白を。夜、落ち着いた雰囲気のレストランで飲むなら赤をと、シチュエーションによって選ぶのもいいでしょう。