歴史的建造物がたくさんあり、有名な観光都市である首都ローマ(ラツィオ州)。近郊は丘陵地で羊飼いが多く、肉といえば古くから仔羊が一般的でした。日本でもおなじみのパスタ「カルボナーラ」は元々はローマの料理で、現地では主に羊の乳で作った「ペコリーノチーズ」が使われています。
ローマのカルボナーラは日本とは違って、生クリームを使わずに作ります。また、ベーコンの代わりに「パンチェッタ」という塩漬けの豚肉を使用。卵を使うのは共通ですが、ローマでは生クリームではなく、卵でソースの滑らかさやコクを出しているのが特徴です。さっぱりしたペコリーノとパンチェッタ、卵のシンプルな組み合わせは、日本の味に慣れていると少し物足りないかもしれませんが、軽やかな味わいで、たくさん食べても飽きがきません。仕上げにかける粗挽きの黒コショウが炭を思わせることから、カルボナーラは「炭焼き職人風」のパスタとも呼ばれています。
ワインは「フラスカーティ」というカジュアルな白ワインが人気。よく冷やした一杯は、暑いローマの夏に欠かせないもので、カルボナーラとの相性も抜群です