イタリアにはそれぞれの地域にその土地に根ざした郷土料理があり、地元で造られたワインと組み合わせるのが定番です。初回は、ミラノの郷土料理とワインをご紹介します。
ミラノは、首都ローマに次ぐ第2の都市であり、イタリア北部の中心都市です。インターナショナルな街なので先鋭的かつ高級な料理店が多いですが、それらと共に伝統的な郷土料理を提供する店もあります。「コトレッタ・アッラ・ミラネーゼ」(ミラノ風カツレツ)は、そんな郷土料理店の定番の一つ。骨付きのロース肉を使う調理法と、肉をたたいて薄く延ばして使う調理法の2つのスタイルがあり、骨付きの方が高級とされています。ミラノは寒冷な気候のため、暖炉の火を利用した煮込み料理も多く、代表的なものには、仔牛のすね肉の輪切りをじっくり煮込んだ「オッソブーコ」があります。その他の郷土料理ではサフランで黄金色に仕上げた「ミラノ風リゾット」がよく知られています。
ミラノがあるのはロンバルディア州ですが、隣接するピエモンテ州の方がワインの産地としては有名で、ミラノの高級料理店ではピエモンテのワインがふるまわれることが多いようです。ロンバルディアでは高級銘柄のワインはあまり造られていませんが、「フランチャコルタ」は、シャンパンと同じような製造工程の高品質なスパークリングワインとして有名です。また、「オルトレポ・パヴェーゼ」というエリアのワインは比較的リーズナブルで、日常的に飲まれています。
ミラノに行かれたときは、ぜひこれらの郷土料理とワインを楽しんでみてはいかがでしょうか。