北イタリア、特にピエモンテ州には、茹でたお肉を盛り合わせた「ボッリートミスト」という郷土料理があります。
これは大きめの牛肉、鶏肉、豚肉、コテキーノ(ゼラチン質のサラミ)を、タマネギ、ジャガイモ、ニンジンなどの野菜と一緒に煮込んで作る、おでんのような料理です。
多彩な肉の旨みがスープに溶け出し、そのスープがまた肉に染み込むことでさらに味わい深くなり、食べると体がぽかぽか温まります。
⬆️イタリア北部の郷土料理「ボッリートミスト」
何種類かのソースを添えて提供されるのも特徴で、バニェットロッソ(トマト・パプリカ入りの赤いソース)、バニェットヴェルデ(アンチョビ・卵・イタリアンパセリ入りの緑のソース)、クニャ(果実を煮詰めたジャム状のソース)などで味を変えながら楽しむことができます。
もちろん、色々なお肉を豪快に味わえるのも魅力ですが、具材を盛り付けた後、残ったスープに、ピエモンテの「タヤリン」という卵黄を使った細いパスタを入れて食べるのが、また格別。
とても素朴な味わいで、僕は大好きです。
⬆️何種類ものソースを付けて楽しめます
ボッリートミストは働いていたレストランでも提供していたのですが、クリスマスの時期には同僚やその家族が集まってテーブルを囲んだこともありました。
僕にとってはイタリアでの思い出の料理の一つです。
12月9日、「全国イタリア料理コンクール2024」(在日イタリア商工会議所主催)で優勝しました!
シェフ 門平光正
「アズーリ」(南区)などを経営する(株)ノースコーポレーションの店のシェフとして活躍中。