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人気連載:シェフのイタリア料理旅 シェフの門平光正さんが、イタリアでの修行中に出会った本場の料理を紹介します

2025年01月29日 【vol.17】冬に食べたいイタリアのお肉のおでん

北イタリア、特にピエモンテ州には、茹でたお肉を盛り合わせた「ボッリートミスト」という郷土料理があります。
これは大きめの牛肉、鶏肉、豚肉、コテキーノ(ゼラチン質のサラミ)を、タマネギ、ジャガイモ、ニンジンなどの野菜と一緒に煮込んで作る、おでんのような料理です。
多彩な肉の旨みがスープに溶け出し、そのスープがまた肉に染み込むことでさらに味わい深くなり、食べると体がぽかぽか温まります。


⬆️イタリア北部の郷土料理「ボッリートミスト」


何種類かのソースを添えて提供されるのも特徴で、バニェットロッソ(トマト・パプリカ入りの赤いソース)、バニェットヴェルデ(アンチョビ・卵・イタリアンパセリ入りの緑のソース)、クニャ(果実を煮詰めたジャム状のソース)などで味を変えながら楽しむことができます。

もちろん、色々なお肉を豪快に味わえるのも魅力ですが、具材を盛り付けた後、残ったスープに、ピエモンテの「タヤリン」という卵黄を使った細いパスタを入れて食べるのが、また格別。
とても素朴な味わいで、僕は大好きです。


⬆️何種類ものソースを付けて楽しめます


ボッリートミストは働いていたレストランでも提供していたのですが、クリスマスの時期には同僚やその家族が集まってテーブルを囲んだこともありました。
僕にとってはイタリアでの思い出の料理の一つです。


12月9日、「全国イタリア料理コンクール2024」(在日イタリア商工会議所主催)で優勝しました!

シェフ 門平光正
「アズーリ」(南区)などを経営する(株)ノースコーポレーションの店のシェフとして活躍中。


ナビゲーター 門平 光正

ナビゲーター:門平 光正

イタリアでは、ミシュランで1つ星を獲得した店の立ち上げスタッフとして、メイン料理を担当。帰国後は「アズーリ」などを経営する(株)ノースコーポレーショングループの店のシェフとして活躍中。