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人気連載:シェフのイタリア料理旅 シェフの門平光正さんが、イタリアでの修行中に出会った本場の料理を紹介します

2024年07月29日 【vol.14】フィレンツェ名物 豪快Tボーンステーキ

フィレンツェといえばこれ、という料理が「ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」。

フィレンツェ風Tボーンステーキです。

サーロインとヒレの両方を味わえるTボーンの贅沢さから、元々は「クチーナリッカ」という貴族料理の一つでしたが、今は郷土料理として根付いています。

ビステッカはイタリア最高峰のブランド牛である、現地の大きな白牛・キアーナ牛を使用するのが定番で、厚めに切ったものを薪火で表面はしっかり香ばしく、中はレアに焼き上げ、塩とオリーブオイルだけでシンプルに食べます。



 かなりのボリュームで提供される
ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ



ビステッカは高温の薪窯で、一気に
強火で焼き上げられます

キアーナ牛の肉質は赤身肉で柔らかく、さっぱりしていながら旨みが強いのが特徴です。

日本の和牛の場合、サシが入っていて脂が多く、少し噛んだら口の中ですぐに溶けてしまうイメージですが、サシが入っていないキアーナ牛は、噛めば噛むほど甘みと旨み、ジューシーさ、肉々しさがどんどん溢れてきて、まさに赤身肉ならではの美味しさを味わうことができます。

僕は現地で何度も食べましたが、豪快に焼き上げられた肉厚なレアステーキを、地元の赤ワイン・キアンティと合わせて味わうのは格別ですよ。

皆さんもフィレンツェを旅行するときは、ぜひビステッカをお試しください。1キロくらいのブロックからの提供になるので、お店には何人かで行った方がいいかもしれません。

できれば薪火で焼いているお店をおすすめします。


ナビゲーター 門平 光正

ナビゲーター:門平 光正

イタリアでは、ミシュランで1つ星を獲得した店の立ち上げスタッフとして、メイン料理を担当。帰国後は「アズーリ」などを経営する(株)ノースコーポレーショングループの店のシェフとして活躍中。