北イタリア・ロンバルディア州のヴァルテッリーナ地方は渓谷が続く寒冷地。小麦が作れないため、そばが栽培され、古くからそば粉を使った料理が作られてきました。そば粉のパスタ「ピッツォッケリ」もその一つ。パスタに、たっぷりのチーズやちりめんキャベツ、ジャガイモなど、すべてヴァルテッリーナの特産品を合わせた、この地の代表的な冬の郷土料理です。
また、トウモロコシの粉で作るお粥のような「ポレンタ」も北イタリアの冬の定番です。中でもヴァルテッリーナでは、トウモロコシ粉とそば粉を粥状に煮て、地場のチーズを加えて溶かし混ぜた「ポレンタ・タラーニャ」が知られています。チーズをそば粉の衣で揚げたフリット「シャットゥ」もあり、こちらはワインと合わせて楽しむのがおすすめです。
そば粉で作ったこれらの料理は、寒さ厳しい北イタリアの冬を乗り切れるよう、チーズやバターをたっぷり使っていて、カロリーが高めです。とはいえ、その素朴な味わいは何よりの魅力で、特にピッツォッケリは格別です。ヴァルテッリーナを訪れた時に、お店のマンマに目の前で作ってもらったピッツォッケリもすごく美味しくて、今でも忘れられない味ですね。
ヴァルテッリーナのトラットリアのマンマが作ったピッツォッケリ