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人気連載:シェフのイタリア料理旅 シェフの門平光正さんが、イタリアでの修行中に出会った本場の料理を紹介します

2022年07月22日 【vol.3】バジルの香り豊かな本場のジェノヴェーゼ

イタリア料理には欠かせないハーブ、バジル。日本では7月から8月頃が旬ですが、イタリアではハウス栽培が主流でほぼ1年中収穫できます。特にイタリア北西部・リグーリア州の州都ジェノヴァは、D.O.P.(原産地名称保護制度)にも認証された高品質のバジルの産地です。

このバジルをペースト状にしたものが「ペスト アッラ ジェノヴェーゼ」で、日本ではこれを絡めたパスタをジェノヴェーゼと呼んでいます。ペストにするバジルは葉が柔らかく、とても香りが豊かです。葉をすり潰すときに欠かせないのが大理石のすり鉢。大理石はするときに熱が出にくいため、バジルの味わいや香りを保つことができます。すり鉢には、大理石の生産地として有名なカッラーラ(リグーリア州に隣接するトスカーナ州)の大理石が使われることが多いようです。

リグーリア州はまた、オリーブ栽培も盛んです。中でも「タジャスカ」という品種のオリーブオイルはデリケートな味で、バジルと相性抜群。香り高いバジルと松の実、ニンニク、チーズ、そしてタジャスカ種の油で、とても美味しいジェノヴェーゼが完成します。

山と海に囲まれ、風光明媚なリグーリア州。丘の上のレストランで、きれいな海を眺めながら本場のジェノヴェーゼを味わうのは最高ですよ。


リグーリア料理の代表格といわれるジェノヴェーゼ

ナビゲーター 門平 光正

ナビゲーター:門平 光正

イタリアでは、ミシュランで1つ星を獲得した店の立ち上げスタッフとして、メイン料理を担当。帰国後は「アズーリ」などを経営する(株)ノースコーポレーショングループの店のシェフとして活躍中。