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人気連載:オーナーソムリエがナビゲート イタリア郷土料理とワイン巡り 

2021年06月23日 【第11回 バーリ】新鮮な魚介を常温の赤ワインと共に

イタリア南東部のプーリア州はアドリア海などに面し、イタリア第3位の漁獲量を誇ります。
一方で平野が広がり、農業も盛んです。
今回はプーリア州の州都で、海側の美しい港町バーリを中心にご紹介します。

バーリの近郊には、ユネスコの世界遺産になっている「カステル・デル・モンテ」という城があります。
13世紀に神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ2世によって建築されたこの美しい城は、珍しい八角形の形が特徴的です。

バーリの漁港では、生ガキやムール貝、ウニなどが豊富に水揚げされます。
素材が新鮮なため、この地にはヨーロッパでは珍しく、魚介を生で食べる習慣があります。
バーリ近郊は赤ワインの産地でもあり、これらの魚介には赤ワイン、それも割とぬるめのものを合わせることが多いようです。
赤ワインは冷やすとタンニンが増え、渋みが際立ってくるので、
20度くらいの常温で飲む方が渋みが少なく、まろやかな味わいになるからでしょう。

ワインの銘柄でおすすめなのは、前述の古城の名前を冠した「カステル・デル・モンテ」。
滑らかで飲み心地のよい酒質で、様々なブドウの品種から赤、白、ロゼが造られています。
もちろん白やロゼもいいですが、バーリを訪れた際には、
ちょっとぬるめの赤を試してみるのも現地ならではの楽しみ方ではないでしょうか。


▲獲れたてを味わえる「魚介類の盛り合わせ」

ナビゲーター 北 康信

ナビゲーター:北 康信

「ディアボラ」「アズーリ」など、
さいたま市内を中心に5店舗のイタリア料理店を展開する
株式会社ノースコーポレーションの代表。
日本ソムリエ協会理事。