こころのQ&A

「私って何?」
~カウンセリングの現場から~


case5 「いい嫁と周囲に言って
くれてはいるけれど…」

Q.夫の実家は、鍋におかずを持って行ってもさめない距離です。夫が育った地域ということで、45歳にもなる夫を気軽に愛称で呼んでくださるおじいさん、おばあさんがいたり、私や子どもたちにも親しく声をかけてくださる方がたくさんいます。
姑はあちこちで、私を「いい嫁」と話しているらしく、それには私も助けられている部分はあるのですが、
     最近姑は私を心から「いい嫁」と思っているのではなく、「いい嫁と周りに言ってあなたを立ててあげているのだから、その分私たちにもお返しをしてね」というメッセージなんだと思うようになりました
そう思い出すと、そろそろ介護のことも頭をよぎり、とても気が重くなってしまいます
 

「気が重い」自分を認め、共感してあげる
A.人の心って難しいものですね。「いい嫁」と言われれば「そう言っておいて私に介護をさせようとたくらんでいる」などと疑心暗鬼になり、逆に「うちの嫁はひどい嫁」と悪口を言われれば、本気で腹が立つものです。
 私たち人間は数ある動物の中でも、かなり弱く未熟で生まれてくるという特徴を持っているので、何とか生き延びようと工夫をしてきました。それで自己防衛のために『こうか、ああか』と迷ったり、疑ったり、悩んだりするという才能(?)が発達してきたようです。
 さて、あなたについても大変繊細で感受性豊かな、とても人間らしい方だと思います。そういう敏感なあなたが、姑の言動を「いい嫁と言ってあげてるんだからお返しを」と捉えるのは当然のことです。ましてや夫の実家とは目と鼻の先。45歳にもなる夫が『ちゃん付け』や愛称で呼ばれるような夫の地元です。あなたはまさに自分の実家から敵陣に送り込まれた『戦国武将の妻』状態。「もしや周りは敵ばかり?」「介護に役立つかもと持ち上げている?」などと、あなたの頭の中に次々と疑問符が浮かぶのも無理からぬことですね。 
ちょっと時代がかってはいますが、敵陣に乗り込んだ戦国武将の妻と覚悟を決めてみると視点が変わるかも。夫の実家と至近距離に住み、姑が近所で「いい嫁」と褒めてくれているという話から、私はあなたが結婚以来、夫や夫の両親を大切にする努力をしてきた方だと思います。姑が心のどこかで今後の「介護」を期待しているにしても、あなたの努力に感謝していることは確か。もちろん、夫も感謝しているはずです。
 そして「『お返しを要求しているに違いない』、だからとても気が重い」と感じている姿もあなたにとっては大切です。「気が重い」と思うあなたは、きっと少し前から心の中にいたのではないですか?まじめなあなたは「そんなこと思ってはいけない」と打ち消してこられたのでしょう。この際「『気が重い』と思っている私自身」を認め、いたわり共感してあげてください。きっと姑の裏に隠されたメッセージを感じたとしても「悪口を言われるよりはいいかあ」という気持ちになれることと思います。


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